LED電光掲示板が電源を投入しただけで、 壊れてしまう(LEDモジュールのIC1,IC2が焼損する) 可能性があります。
LEDマトリックスモジュールは、 内部に16bitシフトレジスタを3個持ち、 それらの保持する値によって、LEDマトリックスモジュールを 点灯させます。 これらのシフトレジスタの電源投入後の状態は、 LEDを点灯させる側の値になることが多いようです。 このため、LEDマトリックスモジュールに電源を投入後、 シフトレジスタに適当な値を設定するまでは、 全部のLEDが点灯し、 設定電流 47.mA/bit× 32bit = 1.5Aの 電流が流れつづけてしまいます。
電源電流に余裕があり、ファームウェアが書きこまれていれば、 CPUによってシフトレジスタの初期化が行なわれ、 消費電流は減少しますが、 5V1Aの電源などでは、1.5Aの電流がながれると 電圧がさがり、CPUが動作せずそのままの状態が続き、 LEDマトリックスモジュールの LEDドライバーICのIC1,IC2の焼損に至る可能性があります。
電源に余裕があっても、フラッシュ書きこみモードで 電源を投入しますと、ファームによるシフトレジスタの 初期化が行なわれませんので、同様にLEDマトリックスモジュールの 故障に至る可能性があります。
対策は以下の2つになります。
しかし、多くLEDが点灯するようなパタン、 たとえば「■■」というような文字を 静止状態で表示させた場合、 LEDマトリックスモジュールのデフォルトの電流設定抵抗 390Ωでは 47.5mAの電流が流れてしまい、 LEDドライバーIC TB62706BFの 消費電力は
(5V - 1.7V) × 47.5 mA × 16 = 2508 mW (※1.7VはLEDによる電圧降下)となり、最大定格の 1000mWをオーバしてしまいます。
このことを回避するために、電流設定抵抗を1KΩに変更します。 これにより、1ビットあたりの電流は 47.5mAから 18.4mAに減少し、 感覚的には明るさは電流の3乗根に比例するので6割に減少しますが、 ドライバーTB62706BFの消費電力は
(5V - 1.7V) ×18.4mA × 16 = 971 mWとなり、 TB62706BFの最大の最大規格 1Wに治まりますので、 CPUが動こうが動くまいが、ドライバーICが壊れることはなくなります。
この設定により、LEDモジュール1個あたりの消費電流は、 最大でも
18.4mA × 32 = 588.8 mA < 600mA程度となります。